小説家になるには?
夢を追いかけている人のためのブログです 小説の創作方法や文章の書き方などを考えていきます
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その際、Wordで感想を残していたので、ブログにも載せておこうと考えた次第です。
心を推察するミステリーといえるだろうか。「文学少女」シリーズに通じるものがある。
この本の素晴らしいところは、憧れの学生生活を追体験できるところかな。姉妹という関係は、非常の美しく、相手の反応で一喜一憂する少女たちの心情を読むのは、とても楽しい。
私が好きなキャラクターは、主人公の祐巳だ。祐巳は思っていることが直ぐに顔に出てしまう素直な少女で、周りの生徒も祐巳を好ましく思うのだ。彼女は人に優しく、また、姉の祥子に対してとても一途に想っている。
一方、祥子はスペックが高い癖に、メンタル弱すぎで、悩みを抱え込む癖もあるので、すぐに誤解されて、祐巳を傷つけることも多い。しかし、祥子も祐巳を心から大切に思っており、誤解が解けて問題が解決することが一つのパターンである。DV夫を連想してしまうのは、私だけだろうか。
姉妹単位で考えると、白薔薇さまの二人は、とても好きだ。乃莉子と志摩子の二人である。二人は似たもの姉妹らしい。姉妹になり立てなので、いちゃいちゃを見られるのが、妙にくすぐったく、にやにやしてしまう。志摩子は、人に対して物腰が柔らかく、一方で問題を抱え、悩む傾向がある。一方で、乃莉子はしっかり者だが、人付き合いが少し苦手な印象があるが、志摩子に対しては蕩けている。二人とも、相手のことが大好きで、外からもよく分かる部分が大変に好ましい。こういう普通に仲良しな姉妹が出てきてないせいか、余計にそう思う。
この小説ですごいと思う点は、上級生が下級生よりも、非常に大人に見える点だ。一巻の時点で、薔薇さまの三人は、非常に熟練された人格を有しているように見えた。しかし、一年が経ち、三年生が卒業して、それぞれが一年繰り上がった時、祥子と令も三年生の風格を持ち、二年生の三人もすっかりと生徒会のメンバーに相応しいように変わっていた。これは、問題を一つずつ解決していったために、個々人が成長した成果といえるだろう。
脇役では、蟹名と柏木が好きだ。蟹名は祐巳との関わりで、好感が持てた。柏木も、非常に大人で、祐巳は嫌っているが、ちょっとした手助けをしてくれる感じがとてもいい。