忍者ブログ

小説家になるには?

夢を追いかけている人のためのブログです 小説の創作方法や文章の書き方などを考えていきます

2025/02    01« 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26  27  28  »03
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

『文才がなくても書ける小説講座』を読むと、大変面白かったので、大事な箇所をノートに書き写してみたことがあります。
その内容を復習も兼ねて、ブログに書き写してみようと思います。

---------------------

1.書くことのメカニズム
(1)書くということの即物性
書くことの根幹にあるのはたった一つの原理、書くということは、不足を埋めていく行為。
不足を埋めれば新たな不足が生まれ、それを埋めれば、また不足は増えていく。
必要なのは不足を見きわめる目と、それを慎重に埋めようとする論理の働きです。
書くことは、私たちが思う以上に即物的な行為なのです。

情報を埋めようという即物的な作業の中で、文章というものは形づくられていきます。
書きながら睨むべきは、それまでに書いた文章です。
ひらめきなどではなく論理なのです。「こう書いた以上は、次にこう書かないとまずいよな」

(2)書くことで見えてくるもの
不足を埋めるという事柄を矛盾なくつなぐことだと言いましたが、その結果として必ず予想もしなかったことを書き始めます。
文章は目的をもって書かれます。はじめに想定していたのとは違った方向に筆は進んでいくものです。
書くことで不足の情報が明らかになり、書くべきことがより精密に見えてくるからです。

書きたいことがない。これはむしろ普通のことです。
書き進めるうちに、小説のテーマは広がり、あるいは縮みもします。
小説世界は必ず予期せぬほうへ進んでいくのです。

重要な問いは、書くのか書かないのか、ということに尽きます。
書くべきことはなくてよいのです。書くからこそ、それが徐々に見えてくる。
見切り発車を、今すぐにでもすべきです。設計図を完成させてから取りかかる建築とは、まったく別の仕事なのです。
でまかせの一行でいいから書いてみる。それができる人は、きっと小説家になれる人です。

2.小説とはなにか
(1)虚構がもたらす真実
隠すことに、小説の話法の秘密があります。小説は押しつけを嫌うのです。
隠すことで、探すように仕向ける。決して無理強いはしない。これが小説の話法です。
いくら探しても「掴み得ぬもの」は残るもの。小説の感動とは、そうやって生まれます。

小説とは、心を震わせるもの。作者のたくらみが、読者から感動を引き出す。
伏線とは
①文章を、平板なものから立体的なものに変える
②読者の想像力を刺激し、単にわかるという次元ではなく、より深い納得へと読者を導く
③読者の注意を喚起し、読みに推進力を与える
「おや?」が読みに推進力を与える。
どこにも書かれていないことが、伏線に気づくことによって見えてくる。
情報を適正に与えられないまま、どんでん返しだけを見せられても、読者は納得しません。

文学は隠すことを旨とします。そうしなければ真実を伝えられない。
事実や現実は、「真実」という言葉からは、一番遠い言葉です。
文学とは、「現実を笑い飛ばすもの」事実や現実はこの世の中でますます僭主化してしまう。
事実や現実にひれ伏していては、尊厳を保つことも、生きていくことさえもできない。
小説の価値は作り物であるところにある。
”人間にはそういうこともあり得るのだ。あっていいんだ”小説が目指す真実とはそのようなもの。
あり得べき姿を目指して大きく飛翔する場。それが小説世界です。
結果的には、小説はだめな人間ばかりを描くことになる。生の本質は矛盾であり、人間の本質はその矛盾に抗うこと。
矛盾に満ちた生をまっとうしようとするとい、不格好な姿を見せ、私たちは小説の人物に共感を抱く。

(2)文学としての小説
言葉の三つの働き
A.意思や情報を伝える
B.ものごとを認識する
C.ものごとをあらしめる
人間は言葉を通してはじめてものごとを認識する生き物です。
言葉がなければ、人間はものごとを認識することができない。
文学の仕事とは、これまでにはなかった未知の感触を、新しい言葉遣いによって、この世にあらしめることにほかならない。

認識の簡便化を図ろうと、言葉自体も簡便化するという現象が起きます。
こういう作用を「自動化」といい、類型的な言い回しはそうやって生まれます。
類型的な言葉遣いから脱する試みを、「異化」といいます。
小説は言葉による「異化」作用を、必ずどこかで追及するものです。類型的な言い回しこそ疑うべきです。

拍手[0回]

PR
お名前
タイトル
メール(非公開)
URL
文字色
絵文字 Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
コメント
パスワード   コメント編集に必要です
管理人のみ閲覧

カレンダー

01 2025/02 03
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28

プロフィール

HN:
くに
自己紹介:
小説家になりたい人
昔、三作ほど小説を書いたことがある

ブログ内検索

<< Back  | HOME Next >>
Copyright ©  -- 小説家になるには? --  All Rights Reserved / Amazon.co.jpアソシエイト
Design by CriCri / Material by もずねこ / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]